京都の小規模スタジオChuhai Labsによる『Cursed to Golf』は、トラップだらけの“ゴルフ煉獄”18ホールに挑む変則ゴルフゲーム。今回レビュー版をプレイする機会を得たので、その内容をご紹介しましょう。

 なお本作は、日本時間の2022年8月19日0時にプレイステーション4/5、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、PCで配信予定となっています。

黄泉がえりを目指して“ゴルフ煉獄”18ホールを切り抜けろ!

 ゲームとしては横視点のプラットフォームアクションゲームのような構成で、プレイヤーはゴルフ大会中に落雷を受けて死亡したゴルファーとなり、現世への復活を目指して全18ホールの“ゴルフの煉獄”撃破に挑むことになります。

 “ゴルフの煉獄”というだけあり、そのコースはトラップだらけ。当たったらやり直しのトゲトゲが生えていたり、火薬が仕掛けられていたり、各種ワープ装置が設けられていたり。一定打数ごとに特殊効果が発動する“呪い”つきのホールなんかも出てきます。

Cursed to Golf
バンカーなんかありがたいぐらいのトラップだらけ。
Cursed to Golf
砂漠ステージは砂だらけ。1回グリーンがある所に刻むか、その先を狙うか……。

 これがキツい。ほんとキツい。「よしトラップをかわした!」と思ったら池ポチャで打ち直し、なんてこともザラです。それだけに、トラップの隙間を縫うようなスーパーショットを決めて難所を切り抜けられると楽しい。そしてそれを可能にするシステムになっています。

Cursed to Golf
呪い発動でさかさまに。操作が逆になるのが厄介。

“エースカード”の必殺打法でナイスショット!

 プレイヤーの強力な味方となるのが、道中で手に入る“エースカード”。球の軌道を遠隔操作できるようになるロケット打法や、ボールを壁の向こうにだって飛ばせるワープ打法、壁を掘り進むドリル打法、途中で球を3つに分裂させる分身打法、ツタも焼き切る火炎打法など、さまざまなチート級ショットが可能になります。

 そのほかにも、残り打数を増やせたり、ペナルティなしの試し打ちができたり、3球打って一番ベストなやつを選べたりも。ミスが頻発するコースなら、ミスれる回数を増やしてしまえばいいわけです。

Cursed to Golf
ワープ打法で障害を完全に無視。

 カードは一回きりの使い捨てで、各ホールクリアー時の賞金を使ってショップで購入できるほか、道中のカードマスで手に入ったり、呪いホールをクリアーした際の報酬としても手に入ります。

 まぁ呪いホールは引き当てた呪いのめぐりあわせが悪いとカードを多めに使うハメになったりもしますが、呪いホールがある分岐ルートは大体カードマスやショップがセットになっていたりもするので、一気にカードを増やすチャンスです。

 さらに、通常よりも性能が強化された“プラス”版カードは呪いホールの撃破報酬でのみ解禁されるようになっています(出した後はショップに並ぶこともある)。適切なカードでショートカットを通れば何打も得をすることがあるゲームなので、ゲームに慣れてきたらぜひチャレンジしたいところ。

Cursed to Golf
ショップではカードパックを引いたり個別購入が可能。
Cursed to Golf
どれもめちゃくちゃ便利。

パターなんてないよ! ゴルフ要素をゲームっぽくシンプルに改変

 またゴルフ要素がシンプルかつゲーム的な内容にまとめられていて、風向きやグリーンの傾斜などをあまり考えなくていいのもポイントのひとつ。どうやってトラップ回避しながらボールを先に進めるかに集中できます。

  • クラブはドライバー・アイアン・ウェッジの3種類のみ
  • ショットがどこに飛ぶかはパワーゲージと打球の上下の角度の目押しだけで決まる
  • ショットの左右のブレ(フックやフェード)はない
  • 呪いなどの一部の例外を除いて風の影響はない
  • 各ステージはすごろくのようになっていて、ルート上のホールを順番にプレイしていく
    • 分岐がいくつも存在し、好きな方を選べる
  • パーの代わりにホールごとに残球の概念があり、ゼロになるとゲームオーバーで最初からやり直し
    • 各ステージのボスを倒すと途中からの復活や引き継ぎ要素などが増える
    • 残球はエースカードやコース上の“像”の破壊で増やせる
      • ゼロにならなければ1ホールに30打かかってもオーケー
    • やり直しになるとルート上に配置されるホールが変わる(それぞれの中身は固定)

 各クラブはそれぞれ特徴的な距離・弾道を持っているのですが、実はトラップ配置もそれをしっかり考慮したものになっているので、一見厳しそうなトラップ配置でも「ここをこういう弾道で飛べば切り抜けられるとすれば、アイアンのパワー6割ぐらいかな?」と推測して試してみると意外と当たります。タイミングが厳しいだけとなれば、あとは複数回打てるエースカードの使い所です。

Cursed to Golf
像を破壊すると残打数追加。本筋から外れた場所にあることも多いので、エースカードでの打数追加も考慮した取捨選択が攻略の鍵となる。
Cursed to Golf
各ステージのルート上には分岐も存在。呪いホールに挑むか、安全なルートを行くかの選択になる。

何度もプレイして徐々にこじ開けていく

 本作はジャンル名を“ゴルフライクゲーム”と自称しています。これはルールが“ゴルフ風”(ゴルフライク)というだけでなく、“ローグライク”ゲームのようなちょっとしたランダム要素や引き継ぎ要素が入っていることも由来でしょう。

 エースカードの助けがあっても本作のクリアーはなかなかキツいです。まして普通のゴルフゲームのようにプレイしちゃいけません。ノーマルショットのみでメジャーなルートを通るだけでは、ほぼパーフェクトプレイでもすぐに打数が足りずにゲームオーバーになります。

 なのでクリアーのためには何度もリスタートしてプレイしながら、各ホールのショートカットや有効なエースカード、取るべき像の場所などの攻略の糸口を把握していく必要があります。

Cursed to Golf
さぁ本物のカップはどれでしょう? 正解は全部偽物で打ち込んだらやり直し&1打マイナス。金の像を取るなら複数打系のエースカードを使うか、相当注意深く打たないといけない。

 また18ホールは全部で4つのエリアにまたがっており、各エリアにはボスがいてゴルフ対決になるのですが、これがさらにキツい。そのエリア特有のギミックに有効なエースカードなどを完全に把握した上で先行してプレイしていかないとなかなか勝てません。特に2面の砂漠ステージが非常にツラく、個人的に最大の難所でした。

 しかしゲームオーバーになっても以下のような要素引き継ぎがあるので、同じホールでも次第にプレイは楽になっていきます。

  • カードパックでアンロックした内容は後のプレイにも引き継がれ、ショップに並ぶようになる
  • ボスは一度撃破すれば再度対戦しなくてよくなる(ゲームオーバーになっても通常ホール化される)
  • ラストエリア以外の3人のボスは撃破すると再プレイをやりやすくなる能力をくれる
    • チェックポイント: クリアーしたステージに設置可能で、ゲームオーバー時にそこから再スタートできる。1回のみ有効
    • ギミー: 残り打数がゼロになっても毎ホール一度だけ5打を追加でもらえる
    • リカバリー: ゲームオーバー後の再スタート時にカードを引き継げる
  • ショップにあるカードバインダーにカードを入れておけば後から取り出せる

 ちなみに裏技的な内容になりますが、ポーズメニューからメインメニューに戻ることでそのホールを最初からやり直せます。開幕早々に何度もトラップにハマった時など、どうにもならなそうで心が折れそうな時は使うといいでしょう。

Cursed to Golf
各エリアのラストではボスが登場し、ゴルフ対決となる。
Cursed to Golf
ショップにあるバインダーにはカードをストックしておける。必要そうな枚数より多めに引き当てているカードがある時はバインダーに入れておいて、次回以降のプレイの備えにするとよい。

まとめ: やりごたえありまくり! グラフィックとサウンドもいい感じ

 というわけで本作、ドット絵のかわいい見た目とは裏腹に、襲いかかってくる凶悪なゴルフ煉獄を間一髪で切り抜けていく、歯ごたえのある内容となっています。

 トラップに連続で引っかかったりするとかなり頭が煮えますが、それをクールダウンしてくれる爽やかなレトロ風サウンドも非常にいい感じです。

 プレイ時間は正直、プレイスキルによってかなり変わってくるはず。全18ホールを撃破すればエンディングが待っていて、2周目プレイも可能です。オンラインランキングがあるので、18ホール終了時のスコア向上を目指しましょう。