2023年12月13日(水)、NCSOFTが提供するオープンワールドRPG『リネージュ2M』において大型アップデート“血吹雪の主”が実施。新サーバー“リンドビオル”の増設、新武器種“双斧”の実装をはじめ、いくつもの新要素が登場する。
新サーバー“リンドビオル”は、2022年12月に設立された“パプリオン”サーバーに対する“カウンターサーバー”になるという。パプリオン サーバーと言えば、『リネージュ2M』の最初期に近い環境で、全員が強くてニューゲーム的にスタートできるサーバーだったはず。
新武器種も当然気になるが、何より“カウンターサーバー”という言葉が気になる。なぜそのような新たな試みがされるのか。FS(ファンサポート)のひとりとしてプレイヤーに近い立場で活動するFSニウス氏にインタビューし、日本サービスインから1000日を迎える感想も交えて回答していただいた。
FSニウス
ふだんは『リネージュ2M』運営全般を担当。PCの『リネージュ2』をきっかけにNCに入社し、『リネージュ2』FSを経て『リネージュ2M』のサービスチームに在籍。リリース当初から運営に携わっている。
リンドビオル vs パプリオンの構図から生まれるもの
――いちばん気になるところから伺っていきます。リンドビオル サーバーはパプリオン サーバーに対してのカウンターとなるサーバーとのことですが、そもそもそれは何なのでしょうか。
FSニウスひと言でいうと“パプリオン サーバーに対抗するサーバー”です。
――と言いますと、争う、競争する、といったイメージでしょうか。
FSニウスそうですね。“競争する”というニュアンスが近いと思います。詳細の前に前提からご説明いたしますと、パプリオン サーバーは既存サーバー(バーツ/ジグハルト/カイン)とは別の枠組み。追加でオープンした“独立サーバー”として存在しておりました。
――以前のインタビューで伺いましたよね。新体験ができるサーバーであり、ほかのサーバーとは異なる環境になっていると。
FSニウスもうひとつの前提として、現在の既存サーバーではワールド内で共有する“ワールド ダンジョン”と、すべてのワールドから集結する“アリーナ/マスター ダンジョン”というコンテンツがあります。
――サーバーの枠を越えて競い合う、大規模PvPコンテンツですね。
FSニウス今後、パプリオン サーバーにアリーナ/マスター ダンジョンを実装していきます。ただ、いまのままですと、パプリオン サーバーにおいてはワールド ダンジョンも、アリーナ/マスター ダンジョンも、マッチングするサーバーにあまり変化がなくなってしまいます。
そこで、独立したパプリオン サーバーに対抗するサーバーとして、新たにサーバー“リンドビオル”を4サーバー構成(リンドビオル01~04)でオープンすることになったわけです。
――なるほど。パプリオン サーバーでもいよいよ他サーバーとの戦いを体験できるように拡張するにあたり、対抗馬を用意したと。この新サーバー実装で、対人戦にはどのような変化が出るとお考えでしょうか。
FSニウスパプリオンのローカル サーバー(それぞれのサーバー)では、直接的な影響は(即座には)出ないと思います。ですが、個人的に、リンドビオル サーバーの成熟やアリーナ/マスター コンテンツの実装とともに、血盟の再編や分裂は発生すると予測しています。
――徐々に戦況が変化していくというのも、パプリオン サーバーならではの新体験になりそうですね。
FSニウスもちろん、アリーナ/マスター コンテンツでは、利権をとるための大規模/小規模PvPが発生し、対人戦自体も活発になっていくと予測しています。
――パプリオンの皆さんは新体験が楽しめそうです。対するリンドビオル サーバーでイチからプレイすることで、プレイヤーにはどんなメリットがあるのでしょうか。
FSニウスメリットは盛りだくさんなのですが、今回はサーバーオープン時に実施を予定しているイベントの一部をご紹介いたします。
はじめに、イベントアイテム“永遠なる祝福の聖物(イベント)”というアイテムを、ゲーム内通貨の“アデナ”を使用して無制限に獲得できます。永遠なる祝福の聖物(イベント)を使用すると、EXP獲得率やアデナ獲得率を増加させる“アインハザードの祝福”を2000追加できます。効率よくキャラクターの育成を行えるので、ご活用ください。
――プレイしていると枯渇しやすい重要リソースですから、アデナで補充できるのはかなり助かりますね。
FSニウスつぎに、特定のレベルに到達すると開封できる“リンドビオルの成長箱”というイベントアイテムです。レベル45、50、55のタイミングで、希少級のスキルブックを選択式で獲得できます。希少級のスキルブックとはいえ、序盤のリンドビオル サーバーでは確実にほしいアイテムのひとつとなりますので、お見逃しなく。
――ふつうなら新規プレイヤーが最初に獲得を目指すべきアイテムですね。希少級スキルひとつで戦いかたが大きく変わる武器種も多いですし、これまたうれしい。
FSニウス加えて、2021年3月24日のサービス開始から2023年の11月8日までにリネージュ2Mを1回でもプレイされていた場合は“リンドビオル スターター アークストーン”というイベントに参加できます。これはアイテムの名称でもありまして、英雄級のスキルブックやクラス、アガシオンなどが確定で獲得できるアイテムなど、さまざまな報酬と交換できます。
FSニウスそして、メインコンテンツのひとつでもある“攻城戦”でイベントを実施いたします。最初の攻城戦に限り、それまでに取引所で発生して累積された税金のすべてを、攻城戦に勝利した血盟が獲得できます。
――そもそもサーバー内での初代城主というのは大きな栄誉と言えますよね。
FSニウスさらにディオン城の初代城主は“伝説級防具選択箱”を、ギラン城の初代城主は“伝説級武器選択箱”を獲得できます。今後リンドビオル サーバーでも実装予定のアデン城の攻城戦においても、特別なイベントを実施予定となります。
――サーバー設立の序盤から、伝説級装備を手に入れられるわけですか。栄誉はもちろん、将来パプリオン サーバーにとっての強敵になりうる逸材がわかるイベントにもなりそう。
FSニウスこのようなイベントを通じて“継続的なキャラクターの成長”のサポートを、リンドビオル サーバーでは予定しております。
――パプリオン サーバーの対抗馬は思ったよりも早く育ちそうな気がします。新規サーバー実装に伴い、キャラクターのサーバー移動は開催されるのでしょうか。
FSニウス今回、リンドビオル サーバーへのサーバー移動、またはリンドビオル サーバーからのサーバー移動は実施いたしません。
新武器種“双斧”は全部盛り型。新規プレイヤー向きなのか
――続いて、新武器種“双斧”の特徴について教えていただけますか。
FSニウス双斧の特徴は、大きく分けて3つあります。
- 複数の範囲スキル
- “飛び込み”からの“押し出し”スキル
- ダウン(双斧固有のスタン)と遠距離ダウン
――範囲攻撃が多い前衛となると、敵陣に突撃していく感じですか。
FSニウス相手が戦線を敷いているところや集まっているところに向けて、まずは遠距離ダウンで動きを止めます。そこに自ら飛び込んで、自分を中心とした範囲でダメージを与え、範囲ノックバックで複数の敵を押し出して、かき乱すことができます。
――遠くから相手を行動不能にしつつ、一気に接近して火力も出せると。単独でいろいろな役割を完結できていますね。
FSニウスまた、対象の帰還やテレポートを阻害するスキルや、疑似的に1対1に持ち込むスキルがあるのも特徴です。状態異常耐性スキルや、状態異常解除スキルもあるので、耐久性もある武器種と言えます。
――攻撃職かと思ったら妨害にも長けていると。できることがかなり多いようですが、新規プレイヤーが最初に選んでも十分に戦えるクラスでしょうか。
FSニウス双斧は、どちらかと言うと晩成型の武器種と感じています。接近戦が多くなるため、相手の攻撃を受けることも多く、序盤はそこが難点になります。
――たしかに、スキルや装備が整うまでは前衛武器種は総じて苦労が多いですね。
FSニウスしかしながら、希少級のふたつの範囲ダメージスキルや固有スタンである“ダウン”を与えるスキルによって殲滅力と戦闘維持能力を高められます。さらに英雄級スキルには前述の希少級スキルを強化できるパッシブスキルや、攻撃時に一定確率でHPを回復するスキルでさらに殲滅力と戦闘維持能力を高めるスキルが存在します。
――なるほど。先述のリンドビオル サーバーでなら希少級スキルを累計3つもらえるわけですし、さらに育てやすいかもしれません。
FSニウス成長すれば成長するほど、成長を実感しやすい武器種です。その点も含め双斧を楽しんでいただければと思います。
――新規という点に触れたところでお尋ねします。今回、改めて新サーバーでゲームを開始するプレイヤーもいるかと思います。スタートダッシュ時のアドバイスなどあればいただけますか。
FSニウス公式からこれといった攻略情報を提示するのは難しいのですが、ひとつのおすすめのルートとしては、仮に双斧含む近距離武器を利用したい場合でも、最序盤は魔法/遠距離武器でのスタートするのがいいと思います。近距離武器よりも被弾が少なくプレイしやすいかと。
――スキルやステータスが育つまでは火力も大きな差はありませんし、遠距離武器のほうが回復薬代も節約できる気がします。
FSニウス目安としては、イベントで希少級スキルブックが手に入るレベル45、50、55くらいまででしょうか。さらに、レベル45で業績から入手できる“初期化スクロール(刻印)”でステータスを初期化できるので、そこからでも『リネージュ2M』は他の武器種にも転向できます。
――何をすればいいのか、なにを目指せばいいのかわからなくなるパターンもあるかと思います。この点についてもアドバイスはありますか。
FSニウスレベル40以降には、今後長い付き合いになるであろう“激戦の島”や“破壊された城砦”というダンジョンがあります。安全地域に設定されていて他のプレイヤーに襲われず、1日ごとに制限時間があるダンジョンですね。
FSニウス激戦の島では、アデナや“啓示の証”、“祝福された武器/防具強化スクロール”、“武器/防具強化スクロール”を入手できます。啓示の証を集めることで、村にいる“アインハザードの司祭”から、どの武器種に持ち替えても効果を発揮する“継承者スキル”を習得できるスキルブックを入手できます。
FSニウス破壊された城砦では、“名誉の勲章”というアイテムを獲得できます。さまざまな用途がありますが、集めると英雄級/伝説級のスキルブック選択箱を入手できます。それぞれのダンジョンによって特徴が異なりますので、必要に応じてご活用ください。
FSニウス何よりもオススメなのは、“血盟”に所属して、ともに成長をする仲間を探していただくことかと思います。困ったときに助けてくれる仲間は、『リネージュ2M』においては大切な存在です。
――たしかに。先輩プレイヤーの知人はいてくれるだけで頼もしいですし、いい目標にもなるかと思います。
FSニウスレベル20以上で血盟を設立・加入できますので、自分のプレイスタイルに合う血盟にぜひ所属してみてください。
『リネージュ2M』の魅力は経済、成長、大規模戦闘
――ここで改めてお聞きしたいのですが、本作の持つ魅力や楽しさは、どういったものとお考えでしょうか。長年『リネージュ』シリーズを遊び続けてきたプレイヤーとしての目線も交えて、プレゼンしていただけますか。
FSニウス『リネージュ2M』の醍醐味というと、“ゲーム内経済”、“終わり無き成長”、“大規模戦闘”でしょうか。
――ひとつずつ詳細を伺えますか。
FSニウス初期のPC版『リネージュ2』では“個人商店(アイテム売買の仕組み)”を出すと動けなかったんですね。行動が制限されてしまうので、『リネージュ2M』ではどこでも販売・購入できる“取引所”に形を変えています。その取引所を活用することで、ダイヤや装備などが手に入る。この“ゲーム内経済”がひとつの魅力であると思います。
FSニウスまた、少しずつの積み重ねで、気づいたらいままでキツかった狩場に行けるようになっている成長体験も見逃せません。“達成したときの心地よさ”と、さらに“つぎの成長を目指したい”という成長欲が刺激されます。“終わり無き成長”も大きな魅力です。
――ほしい装備をドロップする敵が出現する狩り場で渡り合えるようになった時点で、すでに充足感がありますよね。
FSニウスそんな中でも、仲間とともに戦い、“大規模戦闘”で勝利し、思わず声が出てしまうような熱い戦いができるのも『リネージュ』シリーズの伝統であり、『リネージュ2M』の魅力です。
――それらの魅力も交えつつ、ほかにもいくつかある大型アップデートの新要素から、新地域についてお聞きしたいのですが。
FSニウス新地域はインナドリル領地に、新たにふたつの地域を追加いたします。どちらも水竜パプリオンに関わりがある狩場となっていて、1ヵ所目の“水竜の島”にはボス“サイラックス”も登場します。かなり強いので、入念に準備をしたうえで挑んでいただければと思います。
――パプリオンを守護するドラゴンですね。『リネージュ2』にも登場していましたし、懐かしむ人も多そうです。
FSニウスもうひとつの新地域は“パプリオンの神殿”。パプリオンの棲処への入口となる狩場です。近い将来、パプリオンもボスとして登場するかもしれないですね。どちらも高難度の狩場となりますので、入念な準備をしてほしいです。
――パプリオン サーバーどころかパプリオン本体と戦うかもしれないとは、将来的にリンドビオル サーバーはおもしろいことになりそう。
――先日の生放送でも“サービスインから1000日”という点にフィーチャーした企画がありましたが、この1000日を振り返ってみて、印象深い思い出を教えていただけますか。
FSニウスやはりリリース初日がいちばん印象に残っています。カウントダウン生放送を実施し、24時にサーバーをオープンして、そのまま深夜までプレイして、翌朝寝ぼけ眼をこすりながら出社しましたので。
――FSならではの思い出ですね。プレイヤーと同じ立場でスタートダッシュを体験したと。
FSニウスリリースしたタイミングの同じ地点からいち早く駆け出すために、レースをしているかのように、自然と競い合っていたのが印象的でした。
――あの自然とそわそわして急いでしまう感覚は、スタートダッシュでしか味わえない体験だと思います。リンドビオル サーバーでまた味わえますね。
FSニウス個人的には、リリースからいままでの1000日間ほとんどいっしょにいる血盟員のひとりは、『リネージュM』で毎晩のように戦っていた敵なのも不思議な縁ですね。
――宿敵じゃないですか。
FSニウス向こうはこちらの中身がFSニウスであることは知らないんですけどね。
――1000日続けば、そういう奇縁も生まれうると。では最後に、初心者がそのように本作を長く遊び続けるうえで、モチベーションを保つためにまず目標にすべきものなども示していただけますか。
FSニウスクラス、アガシオン、スキル、装備の1ランク上の等級の入手を大きな目標として目指したいところだとは思いますが、『リネージュ2M』において大切なのは“細かい要素の積み重ね”となります。
――+1などの小さな加算も、甘く見られないところがありますね。
FSニウスそんな中でも、地道ではありますが“アイテム コレクション”はキャラクターの強さの底上げに直結します。アイテム コレクションの中で自分のキャラクターにあうコレクションを埋めることを目指して、そのアイテムがドロップする場所での狩りや、取引所で入手してコツコツ埋めていくことを目の前の“小さな目標”として設定していただくことをおすすめします。
――アイテム コレクションを集めていれば、“やることがなくなった”なんて時期もなくなりそうです。メインクエスト進行がきつくなったときなどの助け舟にもなる。
FSニウスこの地域で狩りしたいけど、少しきついかなー、と立ち止まった場合などにも、この記事を思い出してください。そして、アイテム コレクションを何個か埋めることにフォーカスしてから挑戦してみてください。コレクションはあなたを裏切りません。
――名言いただきました。
FSニウス大切な言葉なのでもう一度。コレクションはあなたを裏切りません。