ヴィクトリア朝の紳士淑女が、ワープポータルで移動する異世界“境域”を冒険しながら、魔法の街ナイチンゲールへの到達を目指すクラフトサバイバルゲーム『Nightingale -ナイチンゲール-』（以下、『ナイチンゲール』）。
『マスエフェクト』、『ドラゴンエイジ』、『ワイプアウト』、『ファークライ』など、数々の有名作品を手掛けたベテランクリエイターたちが集まり、結成したスタジオ“Inflexion Games”。同スタジオ初のタイトルの早期アクセスが2024年2月21日から始まる。プラットフォームはSteamとEpic Gamesストアで、ソロまたはフレンドを含む最大6人でのマルチプレイにも対応している。
ひと足先に紳士になる機会を得たので、優雅に遊んで感じた魅力を紹介していく。
“身だしなみは英国紳士淑女の基本”。異様なまでにこだわれるキャラクリ
まずはキャラクタークリエイトからスタート。3つのステップに分かれていて、ステップ1ではモデルの性別、年齢、ボイス、ストーリー、家系、遺伝を設定できる。学者や政治家、職人、世捨て人など、選んだ素性によってストーリーが変化するようだ。
筆者はとりあえず世捨て人を選んでみたが、選んだストーリーによる恩恵などはとくに感じなかった。ロールプレイにおける設定的な側面が強いのかもしれない。
家系は両親、祖父母、曾祖父母の計14人分の容姿を選択する項目。遺伝は家系で選択した親族の顔に応じて、主人公の容姿に調整を加える要素となっている。彫りが深かったり浅かったり、おでこが広かったり狭かったりと、かなり細かく調整できる。
ステップ2は肌、髪の毛、髭、頭、目、口、メイク。いずれも調整項目が多く、こだわる派の人にとってはある意味で最初の試練かもしれない。
思わず「いや、そこまでイジれるのかよ！」とツッコんでしまったのが、口の項目にある歯の要素だ。ここでは虫歯・銀歯の有無、歯の歪み、銀歯の色までもが設定可能。キャラクターの見た目にさらなる個性を持たせられる。
最後のステップ3は初期所持品と難易度。いずれもイージー、ノーマル、ハード、エクストリームの4つが用意されている。難易度に関してはあとで変更することも可能だ。筆者は無難に両方ともノーマルを選択。そしてできあがったのが、下の画像に写っている英国紳士。頭の中では元パリピの紳士という設定を思い描いているおじさんに仕上がった。
境域を移動しながらサバイバルのイロハを学ぶ
キャラクタークリエイトが終わったら、いよいよ冒険の始まりなのだが、その前に簡単に本作の世界観とストーリーを解説しておこう。この世界の人間は、遥か昔から“境域”と呼ばれる異世界に住む種族“フェイ”と親交があった。
人間は“ポータル”と呼ばれる道具を使って境域を冒険し、フェイに力を貸すことで金や魔法といった対価を得ていた。だが、時代とともに人間は権力欲に溺れ始め、フェイと人間の関係が少しずつ悪化。最終的には断絶状態に陥る。
そんな中、人間界にて突如“白穢”という死と破滅をもたらす霧が発生。脅威から逃れるために人間たちは、境域内にある魔法の街“ナイチンゲール”への避難を試みた。主人公もそのひとりだ。
しかしフェイとの親交が絶たれ、境域での支援を受けられなくなった人間にとって、ナイチンゲールへの道は長く険しい。苦境の中、主人公はナイチンゲールを目指して数々の境域を渡り歩くことになる。
不思議な空間を進んでいくと“パック”という怪しげな仮面の男からカードを受け取った。これを“境域カードマシン”にセットすると、目の前のワープポータルが起動。ポータルの先こそが境域であり、このマップ生成要素が本作の核だ。詳細についてはのちほど解説する。
ポータルが開くと、「飛べ！ 悪鬼たちは汝の絶望の匂いを嗅ぎつけた」というパックの台詞が。なんのことかわからない筆者。何だか背後が騒がしいので振りむくと大量の化け物“バウンド”がすごい勢いで突っ込んできて……呆気なく倒されてしまう。
復活するとポータルの中にある森林境域からスタート。どうやらパックさんが倒れた筆者の体を引っ張ってワープしてくれたらしい。見た目のわりに頼れるな。さてここからはしばらくのあいだ、チュートリアルタイム。
森林境域、砂漠境域、沼地境域という3つのマップをポータルで巡りながら、クラフト、建築、戦闘というクラフトサバイバルゲームではおなじみの基本要素を教えてもらう。洋ゲーでは珍しく、ひとつひとつ懇切丁寧に教えてくれるので、クラフトサバイバルゲームを初めてプレイする人も安心だ。
ここからはクラフトサバイバル要素で特徴的な部分を抜粋して紹介する。まずはプレイヤーの基本ステータスについて。画面の左下に映っている赤ゲージがHP、青ゲージが休息、緑ゲージは満腹度になる。さらに黄色ゲージのスタミナもあり、こちらは走ったり装備を振ったりすると画面下部に表示される。
ここで注意しておきたいのが、青の休息ゲージだ。これはベッドで寝ずに長時間活動したり、暑さや寒さといった環境効果を受け続けたりすると減少するもので、最大スタミナも同時に減っていく。ベッドで寝れば即座に回復するので、危なくなったら手軽にクラフトできる寝袋を活用するといい。
つぎはプレイヤーの強さについて。本作にはレベルアップやステータス振りといった概念はなく、パワーアップ方法はただひとつ。強い装備（武器やツール、防具）を身につけることだ。各装備には近接ダメージや魔法力、腕力、HP、ブロック性能といったステータスが盛り込まれており、強力な装備を身に纏うほど強くなっていく。
また、その強さを可視化した“装備レート”というステータス項目もあり、序盤のうちは装備レートが高い＝強い装備という認識でオーケーだ。
空腹を満たすための食材・料理は、時間経過による劣化がない。サバイバルゲームならではの食料管理のストレスがない。料理を食べることで満腹度の上昇に加え、一定時間HPやスタミナのゲージが上昇するバフ効果を得られる。料理によるバフ効果は3種類まで同時に発動可能だ。
境域内ではバウンドを含めた、さまざまな生物と対峙する場面が多い。その際、プレイヤーは武器または採集ツールを装備して戦うことになる。武器・ツールには両手タイプと片手タイプがあり、両手はブロック（ガード）、片手はドッジ（回避）のアクションを使用可能。
ブロックで敵の攻撃を凌いでから確実に反撃するか、ドッジで敵の側面や背後に回り込んで華麗に連撃を決めるか、プレイヤーに合った戦いかたを選べる。いずれもスタミナを消費するため、スタミナゲージの管理も重要になる。
本格的にサバイバルスタート！ まずは拠点作成から
チュートリアルをひと通り終えるとパックとの会話が発生し、「森、砂漠、沼地、どの風景が好き？」といった感じの質問をされる。いちばん平和そうな森林を選択すると、パックから森林境域に向かうためのカードを手渡された。ここで選択した場所が、つぎの冒険の舞台となるようだ。
カードを使って新たな森林境域に到着すると、パックから「ここで根を張り、新たな冒険の準備をしろ」と忠告された。以降はこのマップを起点に、ほかの境域への冒険を進めることになる。また、このタイミングでさまざまなクラフト・建築のレシピが開放される。
筆者は、帰るべき家を作ってからあれこれ探索する派なので、まずはプレイヤーの土地であることを示す石塚を設置することに。石塚は、周囲のモンスターの沸き数を減らすと同時に、その場所を帰還ポイント（ファストトラベルポイント）に設定できるのが石塚だ。なお、石塚をほかの場所に設置しても、ファストトラベルポイントとして使えるのは最初のひとつのみ。
つぎは拠点の建築。画面から建築したいものを仮設置し、そこに資材を投入して完成させるという仕組み。ゲームによってはクラフトや建築を行う際、収納物の中に入っているアイテムを自動的に参照するものもあるが、本作は参照しないタイプ。なので、クラフト・建築に必要な資材は所持品の中に入れておかなければならない。
ただし、所持重量の概念もあるため、持ちすぎると動きが鈍くなり、ダッシュやジャンプができなくなるので注意が必要だ。
大量の資材を抱え、鈍足状態であれこれ建築を行い、約1時間掛けてようやく拠点が完成。見よ、このすがすがしい豆腐建築を！
筆者は圧迫感を感じないように、なるべく天井を高くするようにしている（豆腐建築の中に見える小さなこだわり）。
憩いのマイホームを手に入れたものの、気になることもあった。零体の巨大な鹿が近所を徘徊しているのだ。こちらの攻撃は通らず、敵対することもないものの、定期的に大きな雄叫びを上げるため、プレイ中に驚くこともしばしば。結局、最後までこのうるさい隣人の正体はわからずじまいだった。
もうひとつ気になっていたのが、資材を採集した際に低確率で1個ドロップするアイテム“エッセンス”。これはNPCとのトレードや修理の際に必要になるもので、本作における超重要リソースだ。レアリティの異なる4つのエッセンスがあり、序盤はいちばんレアリティの低い“エッセンス・ダスト”を頻繁に使うことになる。
先ほども触れたが、資材採集でドロップするエッセンス・ダストは1個、しかもたまにである……。しかしツールの修理には10個ものエッセンス・ダストを要求する。何も知らずにプレイすると、「修理するだけでひと苦労じゃん……」と思う人もいるだろう。筆者も最初はそう思ってしまった。
じつはエッセンスは資材、ツール、食材など、あらゆるアイテムを抽出（解体）することでも手に入る。抽出はインベントリからボタンひとつで行えるので、もっともお手軽に手に入る植物繊維や枝を大量に集めて一気に抽出すれば、序盤から大量のエッセンス・ダストを手に入れられるのだ。ちょっとした小技である。
初めての買い物とカンパニーNPC “Roy”との出会い
エッセンス・ダストを荒稼ぎする方法を見つけたので、エッセンストレーダーと呼ばれる商人NPCを尋ねてみた。クラフト・建築のレシピや各種資材を取り扱っており、各境域マップに必ずひとりは存在する。大量のエッセンス・ダストをちらつかせ、片っ端からレシピを購入。なお、マップによっては、よりレアリティの高いエッセンスを要求されることもある。
買い物を済ませて帰ろうとすると、RoyというカンパニーNPCと遭遇。各境域には、プレイヤーと同じように境域を旅する人間（NPC）がおり、彼らに話しかけるとお手伝いクエストが発生することがある。このRoyは拠点作りを手伝ってくれる人を探していたようだ。資材を提供して拠点を完成させてあげたところ、Royを雇用可能に。
こういったお手伝いクエストが発生するNPCは、クエストクリアー後に同行NPCとして雇えるのだ。なお、雇用できるNPCはひとりまで。
カンパニーNPCにはインベントリスロットが20個あり、強い装備を渡して能力を強化していっしょに戦えるほか、空きスロットにアイテムを入れて一時的に倉庫代わりにすることも可能。さらに装備しているツールに応じた採集を自動で行い、ドロップしたアイテムも拾ってくれる。建築に必要な資材を持っている場合は、建築の手伝いもしてくれる。至れり尽くせりな存在だ。
しかもカンパニーNPCには重量の概念がない！ 木材99個、岩ブロック99個、鉱石99個といった、プレイヤーであれば一歩も動けなくなる量の資材を持たせても、軽やかな足どりでプレイヤーについてきてくれる（超人過ぎる！）。
彼がいれば拠点建築なんてあっという間だったなと、ちょっとだけ後悔した。チュートリアルが終わったら、早めにそのマップにいるカンパニーNPCを雇用しておくのがおすすめだ。
最初の試練で本格的なバトルを体験
Royといっしょに拠点周辺の狼を狩ったり、防具を揃えたりしていると、いつの間にか“装備スコア20を目指す”というメインクエストを達成していた。装備スコアとは、現在身につけている武器、ツール、防具に設定されている装備レートの平均値のことで、本作におけるプレイヤーの強さを表す数値となっている。
装備スコアが20に到達すると、最初のマップにあるダンジョン“試練場・アンティーカ”に挑めるようになるようだ。
試練場・アンティーカは最深部にあるボス部屋を目指すタイプのダンジョンで、道中には大量のバウンドが出現する。囲まれるとたこ殴りにされてあっという間に力尽きるので、ブロックやドッジ、さらには地形を活用して立ち回ることが大事。カンパニーNPCはプレイヤーよりも高耐久なので、彼を囮にして戦うのもありだ。
最深部に到着するとボス“伝説のオートマタ・ナイト”が出現した。短距離の突進をくり返す単調な敵なので楽勝と思いきや、戦闘中に両手武器が使えなくなる骨折のデバフを付与されて筆者は大混乱。さらにHPもかなり削られてしまったので、柱の周囲をグルグル回りながらRoyに倒してもらう作戦に変更。
ビビる筆者を横目にRoyは黙々とボスを殴り、ひとりで相手のHPを半分以上削って撃破（強すぎる）。カンパニーNPC最強伝説の爆誕である。ちなみにNPCはHPがゼロになっても、近づいて復活ボタンを押せば即座に蘇る。頼もしすぎる！
ボス撃破後にパックが現れ、新たな境域に行くためのカード生成が可能となる。ただし、この段階では生成できるカードは少ない。メインクエストを進めて生成できるカードを増やしてから、本格的な境域生成を行うのがおすすめだ。
ほかのサバイバルクラフトゲームでは味わえない境域生成について
本作では境域カードマシンにバイオームカードとメジャーカードという2枚のカード（消耗品）をセットすることで、新たな境域をランダムに生成できる。バイオームカードはマップの種類、メジャーカードはマップの難度や特性を変化させるカードで、この組み合わせ次第で同じ森林でも景色や難しさがガラリと変わるため、つねに新鮮な気持ちで冒険が楽しめる。ゲームの流れとしては以下の通りだ。
- 拠点となる境域で冒険の準備
- マップ内にある境域カードマシンにバイオームカードとメジャーカードをセットしてポータルを開放
- ポータルに入って新たな境域へ
- 境域を冒険。フィールドにあるアクティビティやダンジョンを攻略して、資源やアイテムをゲット
- ポータルまたはファストトラベルで拠点に帰還。追加の探索が必要なら再びポータルに入る
- その境域の探索が不要ならポータルをリセットし、新たなカードをセットして別の境域へ
このように拠点となるマップを起点にしつつ、さまざまな境域の探索を行っていく。一度開けた境域はリセットしない限りは消えないので、冒険の途中で自分の拠点に帰っても問題ない。メインクエストを進めると、簡易ポータルのレシピが開放され、拠点から各境域への移動が可能になる。なお、雇用したカンパニーNPCは別の境域にも同行してくれる。
さらに “境域変換装置”を使えば、マイナーカードを消費することで境域に新たな特性を付与できる。マイナーカードは境域内の宝箱やクラフトで入手できるアイテム。カードにはプレイヤーの与ダメージと被ダメージが増加、岩ブロックの採掘速度と採掘量がアップしクラフト速度が遅くなる、境域内がつねに夜になる、など多彩な特性が記されており、場合によっては境域内の探索と戦闘を優位に進められるようになる。
上記のとおり、メリットとデメリットの特性が混在している点に注意だ。あとマイナーカードで付与できる特性はひとつまで、新たなマイナーカードを使うと古い特性は消えてしまう。
境域ではドキドキ体験が盛りだくさん
境域には多彩なアクティビティが用意されており、クリアーすることで報酬が得られる。数が多いのでまとめて紹介していく。
支援
NPCの拠点作りを手伝うクエスト。筆者がカンパニーNPCのRoyを雇用したときのものだ。じつはクエストをクリアーすると、そのNPCが雇用できるようになるほかに、NPCの側にある“魔法チェスト”からその境域の難度に応じたエッセンスを獲得できる。
防御
その場にいるNPCといっしょに建造物の中心にある抽出装置を敵から守る防衛系のアクティビティ。支援同様、クリアーするとNPCの雇用が可能。
拠点
報酬の周囲にいる敵モンスターをすべて倒すだけのシンプルなアクティビティ。
力の砦
建造物内で次々と出現する敵モンスターをすべて倒すのが目的。先ほど紹介した“拠点”と違ってウェーブ制で、どんどん強い敵が出てくる。建造物内の地形をうまく活用して、敵を各個撃破しよう。
軽業の砦
ジャンプやクライミングを駆使して報酬が隠された部屋を目指す。狭い足場をジャンプで乗り継ぐといった繊細な操作が求められることも。
そういう場合は片手武器のドッジを活用するといい。ドッジは短距離跳躍のようなアクションなので、ボタンひとつで足場をつぎつぎに乗り継ぐことが可能だ。
洞察の砦
オブジェクトに刻まれているグリフを見つけるアクティビティ。探索範囲はかなり狭いため、ほかの砦のアクティビティと比べると簡単にクリアーできる。
フェイの塔
モンスターやトラップだらけの塔を登っていき、最上階に出現するモンスター軍団を倒せばクリアーとなる。道中が一本道だったり、迷路のように入り組んでいて複雑だったりと、難度にかなりバラツキがある。
インフュージョンを始めとした奥深い装備カスタマイズ
境域と双璧を成す本作独自の要素、それがプレイヤーの強さに直結する装備のカスタマイズである。アップグレード、インフュージョン、チャーム、魔法という4つのカスタマイズ要素が存在し、対応するエッセンスを消費して装備のレアリティを1段階アップさせる強化システムだ。
コモン→アンコモン→レア→エピックと徐々にパワーアップしていく。レアリティがアップすることでダメージやHPなど、基本ステータスが大きく上がるため、キャラクターを強くするための最短ルートと言える。
つぎはインフュージョン。アンコモン以上の武器の特定ステータスを強化するアイテムだ。武器の重量を下げたり、近接ダメージを上げたり、攻撃範囲を広げたりと、プレイスタイルに合った強化が可能。
武器をアップグレードする度にインフュージョンの装備スロットが開放される。エピックまでアップブレードすれば最大で3つのインフュージョンの装備が可能となる。
チャームは武器に新たな特性を付与するアイテム。敵を数体倒すとエッセンスがドロップ、瀕死状態になると近接ダメージを大幅アップ、敵の弱点を攻撃するとプレイヤーの移動速度上昇など、インフュージョンとは異なる方向性の強化内容が魅力だ。
最後は魔法。武器に付与した魔法を使用可能になる。回復魔法、武器に火属性を付与するエンチャント魔法、ハチの大群を呼び出し攻撃する召喚魔法など、バリエーションが豊富。また魔法は時間経過で回復するスタミナを消費して放つという仕様なので、気軽に使えるのもうれしい点だ。
ほかのサバイバルクラフトでは味わえないワクワクを生み出す独自システム
『ナイチンゲール』にはサバイバルクラフトの基本とも言える採集と建築の安定したおもしろさがあり、このジャンルが好きな人であれば、夢中に慣れる堅実な作りになっている印象を受けた。森林、砂漠、沼地と、マップの雰囲気もよく、釣りの要素もあるため、戦闘よりもスローライフを楽しみたいという人にもおすすめできる。
それ以上におすすめなのが、独自要素である境域と装備カスタマイズだ。ふたつのカードを組み合わせてマップを自動生成する境域はランダム性が強く、何度もくり返して遊びたくなる中毒性がある。ランダムと言っても、各種アクティビティやカンパニーNPC、エッセンストレーダーなどはどの境域にも必ず配置されるので、「ランダム要素のせいでまともに遊べない」なんてことはない。
やり込みたい人は何度も境域生成をすればいいし、サクッと遊びたい人は一度生成した境域をじっくり探索すればいい。プレイヤーのさじ加減でやり込み度合いを変えられないのはかなりありがたいと感じた。
もうひとつの独自要素である装備カスタマイズも秀逸だった。プレイヤーを強くする方法が装備ひとつに集約されているため、レベルアップの手間やあれこれステータス振りに悩む必要がないので取っつきやすい。もちろんやり込み性も十分。インフュージョン、チャーム、魔法などのおかげで装備を自分好みにとことん強化できる。
武器、ツール、防具すべてを最大まで強化・カスタマイズしようとすると、かなりの時間が必要だろう。境域同様、やり込みたい人の熱量にも対応できるだけのボリュームに仕上がっている。さらに装備カスタマイズによって、戦闘時の選択肢が広がり、いろいろなプレイスタイルに挑戦したくなる点もかなりの魅力だと思う。
境域と装備カスタマイズによって独自の魅力を確立した『ナイチンゲール』。ほかサバイバルクラフトゲームに負けず劣らずの時間泥棒ゲーなので、これから遊ぶ人はぜひたっぷり時間を確保してから遊んでみてほしい。
