『ガンダム』のプラモデル(ガンプラ)のパーツを好きなように組み換えて“俺ガンダム”を創造し、その俺ガンダムを操作してミッションをクリアーするアクションゲーム『ガンダムブレイカー』シリーズの最新作が、突然の発表!

Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam)で発売予定の本作は、家庭用ゲームとしては『Newガンダムブレイカー』以来6年ぶり、ナンバリングタイトルとしては『ガンダムブレイカー3』以来8年ぶりとなる。開発者インタビューから、その全容の一端と本作への熱い思いが見えてくる!

【ガンダムブレイカー4】ガンプラを創造し、破壊するあの快感が帰ってくる! 開発者が語る3つの“シンカ”

又野健太郎(またのけんたろう)

バンダイナムコエンターテインメント
『ガンダムブレイカー4』チーフプロデューサー

田中聖憲(たなかまさのり)

バンダイナムコエンターテインメント
『ガンダムブレイカー4』プロデューサー

福川大輔(ふくがわだいすけ)

クラフト&マイスター
『ガンダムブレイカー4』ディレクター

“最適解はない”という自由度こそが『ガンダムブレイカー』らしさ

――本作の企画や開発はいつごろから?

田中開発は2019年ごろから着手しました。着手する少し前には、『ガンダムブレイカー3』、『Newガンダムブレイカー』と形を変えながらブレイカーシリーズが続いていました。『ガンダムブレイカー』のナンバリング続編が欲しいという声をたくさんいただいていたこともあり、ナンバリング続編にもう1回チャレンジしようということになりました。

――本作は『ガンダムブレイカー3』からの進化ということですが、『ガンダムブレイカー3』のどんな部分を継承しようと考えましたか?

福川カスタマイズして自分なりのガンプラを創造するアクションゲームという、ベースは継承しています。そのうえで、スピーディーさや、組み換えによっていろいろな技を使って遊ぶという部分は広げていこうと。過去シリーズでは、組み換えた結果の最適解が出やすいところもあったかな……と思ったので、ユーザーが自分が思い描く“俺ガンプラ”で自由にプレイできるようにするという点は意識しました。

又野『ガンダムブレイカー』らしさとは何かというのは制作スタッフ間でもたくさん話しました。パーツを獲得して付け換えてミッションにチャレンジしていくというサイクルが“ガンダムブレイカーらしさ”だと思いますので、このサイクルをもっと遊んでいただきたいという思いで制作してきました。

 “俺ガンプラ”に対し、ミッション攻略の最適解があることはユーザーの想像する余地や自由度に制限をかけてしまうため、なるべくみなさんの思う“俺ガンプラ”で遊んでいただけるゲーム性を目指してきました。向き不向き、有利不利という意味ではこっちの方がいいというのはありますが、どんな“俺ガンプラ”でもクリアー可能という作りになっています。そのあたりのバランス面は開発終盤の現在も悩みながら作っています。

田中そのあたりは試行錯誤しながらがんばっています。自分が作った“俺ガンプラ”でカッコよく活躍するところがいいところなので、みなさんが思う自分なりの“俺ガンプラ”を創って作ってほしいですね。

【ガンダムブレイカー4】ガンプラを創造し、破壊するあの快感が帰ってくる! 開発者が語る3つの“シンカ”
集めたパーツを自在に組み上げるだけでなく、ペイント(カラーリングの変更)、ウェザリング(汚し塗装)、デカール(シール)など、リアルのガンプラ作成さながらの作業も可能なのが『ガンダムブレイカー』シリーズの魅力のひとつだ。

コンボ、左右別々の武器……本作のアクションはココが違う

――本作からの新要素である“コンボ”は、どんな狙いで導入したのでしょうか。

田中誰でも手軽に楽しみやすく、かつ、わかりやすい指標になるだろうということで、コンボを導入しました。敵を連続撃破することで増加する“ブレイクコンボ”はミッション評価項目としての役割を持っています。ブレイクコンボが増えていく=自分の作った“俺ガンプラ”がかっこよく敵を倒しまくるということになります。アクションゲームとしての爽快感や楽しさも演出しつつ、ゲーム内でのプレイ評価につながっています。

又野従来まではミッション終了後のリザルトで“エースポイント”という形で「あなたのよさはコレでした」という評価を示していました。本作ではプレイ中に目標とするブレイクコンボ数も表示しているため、リアルタイムに自分のプレイがうまくいっているかどうか、を示しています。それによって、コンボが途切れてしまった悔しさやぎりぎりつなげることができた喜びなど、プレイヤーの感情に揺らぎを作り出せればと思っています。

福川本作では二刀流や二挺持ちになったりと武器の組み合わせの要素も広がって、プレイヤーがどの組み合わせがいいのか、この組み合わせでさっきよりうまくやれてる気がするけど本当なのか、そうしたことがこうした評価で示されることで、プレイが楽しくなると思うんです。そのあたりもコンボシステムで表現できているかと思います。

又野また、ブレイクコンボのほかにヒットコンボも表示するようにしています。単純にコンボ数が増えていくことが気持ちいいというのもありますが、ゲームデザイン面でも意味を持たせています。たとえば、射撃武器のマシンガンは非常に多くの弾丸を発射するため、弾丸の威力が高いとそれだけですべてクリアーできてしまいますよね。だからといって単純に威力が低いと使いたくなくなります。

 ヒットコンボが増えると、自分にバフ(キャラクターの能力強化などのこと)効果が発生するようにしました。これによって、一撃の威力は弱くても手数が多い武器にゲーム的な意味を持たせました。手数で強化して一気に攻めるもよし、若干動きがゆったりしているが一撃が強い武器で序盤から攻めていくもよし、いろいろな武器とプレイスタイルで楽しんでいただければと思っています。

田中プレイ中のゲーム画面にいまの評価はSなのかBなのか…が表示されているため、ゲームモチベーションもあがりますし、ミッション中はウェーブごとにミニリザルトがあります。そのため、今回はこのウェーブはうまくいったとかいってないとか、自分がどれだけうまくできているのかがわかるようになりました。

――先ほど“武器の組み合わせ”と言われましたが、本作では左右の腕が別々に組めて、左右の武器も別々に持てるようになりましたね。アクション操作は従来と変わりますか?

福川従来は持てる武器が1種類だったのでそれぞれのボタンが弱攻撃、強攻撃と割り振られていましたが、本作は右手攻撃、左手攻撃でそれぞれボタンを振り分けています。右手で攻撃し始めるか、左手からか、右手を使っている中で左手に変えるとか。どのタイミングで変えるかによって攻撃も変わります。

又野先に攻撃し始めた武器が弱攻撃になります。たとえば、右手で攻撃を始めてそのまま連打すると弱弱弱……という攻撃になり、途中で左手の攻撃にすることで強攻撃になります。逆もまたしかりで。本作では、二刀流を単なる弱強関係ではなくどちらから使い始めるか、どのタイミングで逆の手に攻撃を切り換えるか、押すタイミングでもアクションが変わります。何度目の連続攻撃後に逆の手で攻撃をすれば多くの敵を巻き込めるかなどを考えたりするのが、今回の新しいアクションの遊びです。

福川新たなチャレンジもありますが、アクションの手触りやコンボのテンポなど、ベースの遊び心地は大きく変えてはいません。操作が増えて、攻撃の特徴がとがってきたところはあります。アックスの溜め攻撃、ランスの突進など、武器による特徴的な攻撃方法も追加しました。長押し、連打といった操作を組み合わせる要素を増やしています。

田中なかでも、サーベルは使いやすくて汎用的ですね。2種類の斬り派生技を入れています。たとえば、スティックを上に入れながらサーベル攻撃を長押しで行うと斬り上げ、長押しだと斬り払い攻撃になります。地上コンボのどのタイミングでも派生させて使用できるので、囲まれているのか、1体だけを集中攻撃したいのか……などシチュエーションに合わせて使っていただきたいと思っています。

――片手で持てない武器はあるのですか?

田中大剣など、両手持ち武器も存在します。両手持ちの武器は弱攻撃と強攻撃というボタンの配置になります。1種しか装備できない武器ですが、ほかの武器が持つ特徴の詳細は続報をお待ちください。

――ヒットコンボで自分にバフがかかるとお話しされていましたが、具体的にはどんなバフがかかるのですか。

福川ヒットコンボの場合は、攻撃力アップや敵のパーツを外しやすくするなどの効果が付与されます。敵のパーツが外れると、敵はそのパーツに対応したアクションができなくなるのでこちらは有利になる。連続で攻撃を当て続けることでバトル状況を好転させる効果が付与されます。

――回避や防御をするより、攻撃し続けたほうが有利に戦えますか?

又野攻撃を受けると、パーツが外れたり、体力がゼロになったりするので、回避や防御も使いこなして戦ったほうがいいですね。回避のコツという意味では本作では敵が攻撃しようとするとき、白く光るようなエフェクトを出すようになったので、これを見て敵の攻撃を避けて、もう一度攻撃する……といったようなプレイがオススメではあります。

 相手の攻撃が強かったり、こちらのひるみ状態を誘発するような攻撃もしてくるので、攻撃だけでゴリ押しだとコンボが途中で切れたりなど、どこかでつまづいてしまう。ある程度敵の動きを見切る、攻撃する敵を選択し直すなど、うまくやったほうがいいですが……。 “俺ガンプラ”が活躍することを大切にしているので、そうしなきゃ絶対にクリアーできないということはないと思います。

【ガンダムブレイカー4】ガンプラを創造し、破壊するあの快感が帰ってくる! 開発者が語る3つの“シンカ”
武器種のひとつ“ムチ”は、手数をかけた攻撃はできないが、攻撃範囲が広い。ほかの武器との組み合わせで、これをどうコンボに活かすかがプレイヤーに問われる。

田中パーツはミッションで敵を倒して獲得したり、ミッション報酬で獲得したり、ショップで買ったり……といった状況で入手できます。ですので、パーツアウトを狙いやすい武器を装備してパーツの獲得数アップを目指すということは、本作でも可能ですね。

又野本作では、“俺ガンプラ”をカスタマイズする機会を多く作りたいと考え、1ミッションあたりのプレイ時間は少し短めに設定しました。1ミッションあたりで獲得できるパーツ数は従来に比べると少ないかもしれませんが、1ミッションあたりにかかるプレイ時間も相対的に短くなっているので、よりクイックにパーツ集めができます。「今日は何ミッションかやってみようかな」とプレイしてパーツを集めてカスタマイズして……と。

田中パーツを狙って取りに行くという意味では取りやすくなっています。「フリーダムガンダムのパーツが欲しいからこの敵が出てくるこのミッションに行こう」といったように欲しいパーツが獲得できるミッションにチャレンジできます。1ミッションのプレイ時間はそこまで長くないので、前作と比較するとサクッと終わらせられると思います。プレイするミッションを切り換えることで、いろいろな種類のパーツを集めやすくなっています。

――本作では、“オプション”を複数装備していても、OP(オプション)スキルを1種類使うことでOPスキル全体にクールタイムが発生してしまいます。その狙いは?

田中左右の腕や武器を別パーツで装備可能になり、カスタマイズできるパーツが増えたぶん、スキルも設定しやすくなっています。いろいろな“俺ガンプラ”カスタマイズを楽しんでほしいという部分にも通じるのですが、強力なOPスキルを持つパーツが強くなるということにならないよう、OPスキルの共通クールタイム化を採用しました。

 攻撃力はあまり高くないけれど、クールタイムが短く使いやすいOPスキルもあれば、強力だけど、クールタイムが長く使いどころを見極める必要があるOPスキルもあります。どのスキルをどのタイミングで使うのか……プレイヤーの気持ちに波が作れるんじゃないかと思っています。

新要素“ジオラマ”モードは他プレイヤーとのコミュニケーションにも

――本作の大きな新要素になりそうな、ジオラマモードについてお聞かせ願います。

又野シリーズとしての進化の形っていろいろあると思うのですが、『ガンダムブレイカー』シリーズは『ガンダム』ゲームの中で唯一、ガンプラをテーマにしているゲームなので、ガンダムブレイカーだからこそできる遊びとして、ジオラマモードを制作することにしました。このモードは、背景、ガンプラ、ポーズを選び、場合によってはエフェクトを置いて、そして写真を撮ってそれをシェアするというものです。

 もちろん、自分で創った“俺ガンプラ”も置けますし、ショップで購入した既存のガンプラもそのまま置けます。「ジャスティスガンダムを置きたいな」と思えば、わざわざ自分で組まずとも、ショップで買えばパッと置けちゃう。ジオラマモードには“コスト”というものがあるので、そのコストの範囲内で自由にオブジェクト、エフェクト、ガンプラをいくつでも置いてもらって自分の理想のジオラマを作り、写真を撮ってみんなに自慢するモードです。

田中ジオラマ制作をリアルでやるとするとハードルが高く感じる方もいらっしゃると思います。ガンプラは作ってるけど、ジオラマまでは……というガンプラユーザーの方も多数いらっしゃると思うので、ぜひゲームで手軽にデビューしていただければと考えています。ガンダムブレイカーでジオラマを作ってみて、その後にリアルでも作ってみる……そんな風にお楽しみいただけるお客様もいらっしゃるといいですね。

福川本作をオンラインに接続した状態で遊んでいると、ロビーにあるモニターで、いろいろな人のジオラマ作品を見ることができます。時間経過でランダムに切り換わるので、ロビーを覗くだけでも楽しいと思います。また、ロビーと言えば、巨大ガンプラの展示スペースがあるのですが、そこにはランキング1位の方のガンプラが表示されたりもします。

田中ロビーでは、ほかのプレイヤーに話しかけることができ、そこで見られるプロフィールカードで、作ったガンプラの設計図、フォトモードやジオラマの写真など、その人がアップロードしたギャラリーが見られます。

又野アクションゲームではあるのですが、ジオラマモードを始めとしたアクション以外の要素も充実しているのが、本作の魅力のひとつだと思います。ロビーには“俺ガンプラ”で入ることができるのですが…開発スタッフでテストプレイしていると、とてもユニークなものを作っている人もいて。ロビーには最大24人が入れる予定なのですが、24機の“俺ガンプラ”が勢ぞろいすると……ある種、カオスというか(笑)。

――何かしらのイベントも開催できそうですね。

又野ジオラマなりミッションなりでお題を出して、そのミッションに挑む、あるいはジオラマを作ってもらったりとか、そういったイベントが考えられますね。このあたりも検討できればと思っています。ユーザーの皆様が開発スタッフの想像を超えた“俺ガンプラ”でロビーを歩く……発売後の楽しみのひとつです。

【ガンダムブレイカー4】ガンプラを創造し、破壊するあの快感が帰ってくる! 開発者が語る3つの“シンカ”
ジオラマには、爆炎やビームの射線などのエフェクトも自由に配置できる。プレイヤーの妄想を実現するだけでなく、原作の名シーンやガンプラのパッケージ絵の再現も可能だ。

登場ガンプラはどのくらい? あのガンプラも参戦!

――本作のストーリーモードはどのような内容になるのでしょうか。

田中本作は『ガンダムブレイカー3』の数年後という設定となります。詳しいことは続報でお伝えできればと思いますが、もしかしたら、『3』に出ていたキャラクターが再登場するかも……しれないですね。もちろん『3』を知らなきゃわからないストーリーではないので、そこは安心してください。

――では、本作では、どのくらいの数のガンプラが登場する予定ですか。

又野250機以上登場します。

福川キービジュアルを見てお気づきの方もいるかと思いますが、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の機体も参戦します。

又野『機動戦士ガンダム 水星の魔女』からはガンダム・エアリアルとダリルバルデが参戦します。

――本作もHG(1/144スケール)とMG(1/100スケール)のガンプラを組むことになりますか。

又野プレイアブル機体としてHGとMGはカスタマイズ可能です。さらに敵ボスとしてPG(1/60スケール)も登場します。

――限定版の特典が気になるのですが。

又野アソビストアで先行予約できる限定版『コレクターズエディション』には、リアルのガンプラ、ガンバレルストライクガンダム(ガンダムブレイカーVer.)が付属します。ゲームボーイアドバンス用ゲーム『機動戦士ガンダムSEED 友と君と戦場で。』に登場した機体を元にしています。ENTRY GRADEのストライクガンダムをベースに、ムウ・ラ・フラガをイメージした機体のカラーへと変更しています。

 描き起こしパッケージ、本作オリジナルデカールなどを盛り込んでお届けします。背中にはメビウスゼロの主兵装“ガンバレル”をストライカーパックとして装着しています。機体の肩や脛には穴あきパーツを採用し、『ガンダムブレイカー』の限定版同梱プラモデルらしく、ひとつのプラモデルながら、背中のガンバレルやほかのパーツを付け換えることができ、ちょっとした“俺ガンダム”が可能になっている点に注目していただきたい。

――本作でもダウンロードコンテンツ(DLC)やシーズンパスの予定がありますか。

又野『ガンダムブレイカー3』と同様の、プレイすることで新機体が手に入るストーリーミッションの配信を予定しています。複数のストーリー、ミッションをひとつにまとめたシーズンパスも販売予定です。シーズンパスの特典は、先ほどお話ししたガンバレルストライクガンダムになっています。さらに追加コンテンツとして“ジオラマDLC”もご用意しています。ジオラマ拡張パーツとでもいうべきか、ユニークな設定のものなど全4種が楽しめます。こちらもひとつにまとめたジオラマパックを販売予定です。

――それでは、楽しみにしているゲームファンへメッセージをお願いいたします。

田中本作は、ナンバリングタイトルとしての3つの“シンカ”がテーマです。ひとつはカスタマイズの“深化”。左右別々の武器が使えること、別々のパーツが付けられること。つぎに、それによって可能になったアクションの“進化”。左右別々の武器が持てることでアクション性が進化して、どの武器を装備するべきかを考えるゲームになっているということ。そして、ガンプラとしての遊びの“真価”。

 ガンプラをテーマにしたゲームだからこそできる価値というところでジオラマモードを導入しているところ。この3つのシンカを意識して作ってきたので、この部分をユーザーの皆様に楽しんでいただけるとうれしいです。

【ガンダムブレイカー4】ガンプラを創造し、破壊するあの快感が帰ってくる! 開発者が語る3つの“シンカ”
アソビストア『ガンダムブレイカー4 コレクターズエディション』販売ページ